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2018年7月

離婚時の住宅ローンについて

自宅を購入する際、「まさか、自分たちが将来離婚する」と想定しているカップルは少ないと思います。しかし、不思議なことに、自宅の購入や家具の新調、新居への引っ越しをきっかけに、夫婦の間にヒビが入るケースが多いようです。

離婚の際、やっかいなのが夫婦で頭金を出し合い、共有名義にしているケースです。

では、一般的に離婚時の住宅ローンの連帯債務者【複数の債務者(借り入れをする人)が債権者(金融機関等)に対し、同一内容の債権(住宅ローン)を一緒に返済する人のことで、それぞれが独立して返済する義務を負います】を解除するには、どのような方法があるでしょうか。

① 住宅ローンを借り換える

離婚後、夫婦のどちらかがその家に住み続ける場合、住み続ける人が新たに住宅ローンを組み「借り換え」をします。しかし、その際、残債金額とローンを組む人の年収が問題になります。仮に、離婚時に妻が会社員を辞めていた場合、パート収入程度では「妻名義」で住宅ローンを組むのは難しくなります。元夫が代わりに住宅ローンを組むのも厳しいでしょう。

② 代わりの連帯保証人を連れてくる

たとえば、親戚に理解ある資産家がいて「この伯父を新たな連帯保証人に」とすれば、金融機関も納得してくれるかもしれません。ここのポイントは「金融機関が納得してくれる人物」です。しかし、これはかなりのレアケースといえるでしょう。

③ 住宅ローン相当分の固定資産を担保として金融機関に提供する

提供する「固定資産」の資産価値がいくらあっても、あくまでも借入先の金融機関が「納得する価値がある担保」を提供できるかどうかです。

④ 離婚しても「連帯債務者」としての関係を継続する

信頼関係がなくなった者同士が連帯債務者として関係を維持するのは厳しいでしょうし、別のパートナーと再婚の可能性もあります。前のパートナーとの間に連帯債務の関係があるのはトラブルの元です。

⑤ 自宅を売却してローンを返済する

これがいちばんスマートです。ローンを返済して余ったお金がある場合は財産分与することができます。

家という資産は2つにきれいに割れないので、ここはやはり売却をして返すものは返して、残りをわけるのが最も丸く収める方法ではないでしょうか。

しかし、多くの人にとって住宅ローンは「一生涯かかって返す借金」ですから、なかには離婚時の残債が多い人もいます。特に住宅ローンの返済当初は「元金の返済」の割合よりも「利息部分」に充当される割合が大きいので、仮に売却できたとしても、よほど資産価値が高く、高値で売れる物件でないかぎり、オーバーローン(不動産評価額がローン残債金額を下回り売却してもローンを完済できない)になる可能性もあるのです。

特に購入後5~10年くらいは「こんなに元本が残っているの」と驚く人が多いようです。そんなときは、「任意売却」という方法で売却をします。任意売却は、収入の減少で住宅ローンが支払えなくなったときや離婚時の売却でオーバーローンになったときに、任意売却ができる不動産会社と融資をしている金融機関の間で売却を進めることです。メリットは競売にかけられるよりも高値で売ることができる点です。ただし、残債の支払い義務(金融機関との交渉で少ない月額での支払いが可能)は生じます。しかし、この場合、残債が支払えないと自己破産しないといけない事態も避けられないので、慎重に進めないといけません。

人生100年、離婚後の人生も長いですから、いくらでもやり直しはできると思います。ですから、きれいに終わらせておきたいものです。

                                                                                                                                        

category : 不動産について | posted at 2018.7.13
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